54本目
ドアドア
1985年7月18日・ファミコン|開発秘話・当時の小ネタ全部載せ
エニックスのファミコン第1弾のこのソフト、実はみんなが思う"あのドアドア"とは別バージョンの移植だった——
🎮 ドアドア(1985年7月18日/ファミコン) を覚えてる?
目次
『ドアドア』とは? 発売日・スペック早見
| 発売日 | 1985年7月18日 |
|---|---|
| 機種 | ファミコン |
| 発売元 | エニックス |
- エニックスのファミコン参入第1弾(ドラゴンクエストより先に発売されたソフト)
- 定価4,900円、型番EFC-DR
- チュン君を操作してナメゴンやオタピョンをドアに閉じ込める、全50面の固定画面パズル。コンティニュー無しの一発勝負
そして10個目。このFC版、実はあるバージョンをもとに作り直されていた。
『ドアドア』の開発秘話——真相はこうだった
FC版『ドアドア』は、1983年にエニックスから発売されたPC-8801版のオリジナルそのままの移植ではない。実際にベースになっているのは、その2年後の1985年に発売されたPC-6001mkII版『ドアドアmkII』(全100面)で、それを半分の50面に再構成したものだった。プレイヤーの天敵として知られる敵キャラ「オタピョン」も、実は1983年のオリジナル版には登場せず、mkII版から新たに追加されたキャラクターである。つまりFC版が持ち込んだ”懐かしさ”の多くは、1983年のオリジナルというより、その改良版であるmkII版由来のものだった。作者は当時まだ高校3年生だった中村光一(後のチュンソフト創業者)で、コンテスト応募がきっかけでエニックスとの縁が生まれ、これが後のドラゴンクエスト誕生にもつながっていく。
『ドアドア』の当時の小ネタ10連発
- 発売は1985年7月18日、エニックスより発売。定価4,900円、型番EFC-DR。シェア
- エニックスのファミコン参入第1弾で、ドラゴンクエスト(1986年5月)より先に発売されたソフトだった。シェア
- 作者は中村光一。当時まだ香川県の高校3年生で、エニックス主催のコンテストに応募したのが縁だった。シェア
- 主人公チュン君の名前は、作者「中村」の「中」から取られている。シェア
- 全50面はコンティニュー無しの一発勝負。1万点で残機が1UPし、以降は3万点、5万点…と2万点ごとに1UPする。シェア
- 5の倍数の面だけBGMがアレンジ版に切り替わる仕掛けがある。シェア
- 一度に最大6匹まで同時に閉じ込めるとボーナス倍率が上がる。シェア
- 「半ドア」と呼ばれる、ドアを半分だけ開閉して複数匹まとめて閉じ込めるテクニックがプレイヤーの間で語られていた。シェア
- 発売当時の売上はおよそ20万本とされる。シェア
- そして10個目。FC版は1983年のオリジナル版そのものではなく、1985年のPC-6001mkII版『ドアドアmkII』(全100面)を50面に再構成したバージョンだった。シェア
『ドアドア』はどんなゲーム? ルールと遊び方
画面はビルを横から切ったような固定画面で、何段ものフロアに扉がいくつも並んでいる。プレイヤーは帽子をかぶったチュン君を動かし、追いかけてくる敵を扉の中へおびき寄せて閉じ込める。画面内の敵をすべて閉じ込めれば面クリアだ。チュン君の動作は、歩く、ジャンプする、扉を開け閉めするの3つに絞られている。
扉は取っ手のある側からしか開けられない。チュン君が扉の前を走り抜けると扉が開き、そこへ敵が入ったところで素早く閉める。もたもたしていると、入った敵がまた出てきてしまう。一度閉じ込めた扉は二度と開かない。だから、どの扉にどの方向から敵を誘い込むかを先に考えておく必要がある。
フロア間の移動手段は役割が分かれている。階段はチュン君も敵も使えるが、はしごはチュン君だけ、網は敵だけが通れる。滑り台はチュン君が降りるためのものだ。敵に触れるとミスになり、爆弾やクギに触れてもやられる。残機は最初3人で、1万点で1人増え、その後は2万点ごとに増えていく。
敵の習性を読む——『ドアドア』攻略のコツ
敵は4種類いて、動き方の癖がそれぞれ違う。ナメゴンはひたすらチュン君を追ってくる。インベ君は横に動いている途中でチュン君との間に階段があると必ず昇り、アメちゃんは逆に必ず降りる。オタピョンはチュン君のジャンプに合わせて跳ねるので、飛び越えてかわすことができない。この癖を覚えると、誘導の手順が組み立てやすくなる。
同じ段に上りの階段があるときにチュン君がジャンプすると、敵はチュン君が上へ行ったと勘違いして階段を昇っていく。ただしオタピョンには効かない。画面の左右の端は反対側とつながっていて、ここへ進むと逆側へ抜けられる。ジャンプしながらは抜けられないが、うまく使えば追ってくるオタピョンを振り切れる。
各面で最後の1匹になると、その敵は急に速くなり、普通に歩いていると追いつかれる。後半の面では扉の数より敵の数が多く、何匹かまとめて閉じ込めないと面をクリアできない。扉を半開きにして敵が出てくるタイミングをずらすと、あとから来た敵も同じ扉に入れられる。ボーナスアイテムが出た場所には以後爆弾が出るので、取った後の位置取りにも気を配りたい。
『ドアドア』とエニックス、チュンソフトの始まり
エニックスは1982年の設立当初、自前の開発部隊を持たず、プログラムコンテストで作り手を探して製品にする方式をとっていた。『ドアドア』はその第1回ゲーム・ホビープログラムコンテストで優秀プログラム賞に選ばれた作品だ。最優秀賞は森田和郎の『森田のバトルフィールド』だった。パソコン版は当時、PC-8801、FM-7、X1など多くの機種に向けて別々のパッケージで出ている。
中村光一は最初、ナムコの『ディグダグ』を移植して応募するつもりだったが、オリジナル作品が対象だと言われて方針を変えた。ファミ通.comのインタビューでは、両作の共通点を敵を追い込んでまとめて倒すことだと語っている。中村は大学在学中の1984年4月にチュンソフトを設立した。社名は麻雀でのあだ名から取ったもので、主人公の名前にも同じ由来がある。
FC版の開発は、中村を含むプログラマー3〜4人とグラフィッカー1人の小さなチームで進められた。チュンソフトはこの約4か月後に、FC版『ポートピア連続殺人事件』も送り出している。のちの2008年には、同社のWii用ソフト『428 〜封鎖された渋谷で〜』に、各面5分のスコアアタック形式にした『ドアドア』が隠し要素として収録された。
『ドアドア』はいま遊べる?(Switch Online・中古相場)
Nintendo Switch Online、アーケードアーカイブス、プロジェクトEGGいずれでも配信は確認できませんでした。2004年3月1日には携帯電話のiアプリでFC版を忠実に移植した版が配信されましたが、現行機での公式な配信は確認できていません。遊ぶには中古カセット+実機、または互換機が現実的な選択肢になります。※2026年9月時点
『ドアドア』の都市伝説・噂(裏取りなし枠)
情報元・参考資料
- Wikipedia「ドアドア」
- 懐ゲードットコム
- ファミ通.com
- ファミ通.com『中村光一氏インタビュー』
- ねとらぼ『ドア・ドア』紹介記事
- Wikipedia「Door Door」(英語版)
調べるときに参照したページ
- Wikipedia日本語版「ドアドア」
- 英語版Wikipedia「Door Door」
- ファミ通.com『すべては『ドアドア』から始まった――チュンソフト30周年のすべてを中村光一氏と振り返るロングインタビュー【前編】』
- ねとらぼ『【このゲーム、探してます!】スタープログラマーを産み出したエニックスの傑作『ドア・ドア』誕生秘話(1/3)』
