56本目
ブロックセット
1985年7月26日・ファミコン|開発秘話・当時の小ネタ全部載せ
テレビ画面の光でロボットを動かす——この発想、実は全然関係ない商談から生まれたものだった。
🎮 ブロックセット(1985年7月26日/ファミコン) を覚えてる?
目次
『ブロックセット』とは? 発売日・スペック早見
| 発売日 | 1985年7月26日 |
|---|---|
| 機種 | ファミコン |
| 発売元 | 任天堂 |
- 専用の周辺機器「ファミリーコンピュータ ロボット」と組み合わせて遊ぶ、コントローラーケーブル無しの変わり種ソフト
- ロボットはテレビ画面の光の点滅を目のセンサーで読み取り、内蔵モーターでブロックを積み替える
- 対応ソフトはこのブロックセットと「ジャイロセット」の2本のみで終わった
そして10個目。この"光で動くロボット"というアイデア、実は思いがけないきっかけから生まれていた。
『ブロックセット』の開発秘話——真相はこうだった
ロボットが画面の光を読み取って動く仕組みは、開発者・横井軍平が最初から狙って作ったものではなかった。きっかけは、シャープの技術者が太陽電池の技術を売り込みに来た商談だったという。本来は発電や計測のための受光素子を、横井は「センサー」として転用できると思いつき、テレビ画面の点滅をロボットの”目”に読み取らせるという発想に結びつけた。ケーブル接続を使わず、画面の光だけでロボットに指示を送る——当時としては奇抜なこの仕組みは、光線銃シリーズで培った技術の延長線上にありながら、まったく畑違いの商談から生まれた偶然の産物だった。
『ブロックセット』の当時の小ネタ10連発
- 発売は1985年7月26日、任天堂より発売。専用ロボットとセットで遊ぶ変わり種ソフトだった。シェア
- ロボットは「ヘクター博士」というキャラクターを画面上で操作し、UP/DOWN/LEFT/RIGHT/OPEN/CLOSEの命令を光の点滅信号として送る仕組み。シェア
- ロボットは内蔵モーターで胸部を6段階に上下させ、腕を5段階に水平回転、ハンドの開閉を行う。シェア
- ケーブル接続は無く、ブラウン管テレビの画面の光をロボットの目(センサー)が直接読み取って動く。シェア
- ロボット対応ソフトは本作「ブロックセット」と、コマを回す「ジャイロセット」(1985年8月13日発売)の2本のみで終わった。シェア
- 北米版の名前R.O.B.(Robotic Operating Buddy)は、当初「OTTO」になる予定だったと、任天堂オブアメリカの宣伝担当者が明かしている。シェア
- 海外(NES)ではロボットが本体・ザッパーとセットで販売され、"STACK-UP"という名前で展開された。シェア
- アタリショック後で警戒されていた北米の小売店に対し、「これはゲーム機ではなくロボットのおもちゃだ」と見せて棚に置いてもらう戦略の要になった。シェア
- ロボット自体はその後もHVC-012として、マリオカートDSや大乱闘スマッシュブラザーズシリーズなどに再登場している。シェア
- そして10個目。ロボットが画面の光を読み取って動くという仕組みは、太陽電池の技術売り込みという畑違いの商談がヒントになって生まれたものだった。シェア
『ブロックセット』はどんなゲーム? 4つのモードと遊び方
箱の中身は、ブロック5個、ブロックトレイ5個、ロボットの腕に付けるブロックハンド2個、そして専用カセット。ロボットの台座には5か所のスリットがあり、ここにトレイを差し込んで準備する。目的は、画面右上に示された積み方のとおりに、実物のブロックをロボットに積み換えさせることだ。ただし、正しく積めたかどうかをソフトは判定しない。確かめるのはプレイヤー自身の目である。
基本となるのが「DIRECT」。博士を画面の命令キーボードの上に移動させ、キーに乗るたびにロボットへ命令が飛ぶ。指示どおりに積めたらSTARTで得点が入り、崩したらSELECTかRESETでやり直しになる。「MEMORY」は、積み換えの手順を先にまとめて記憶させ、あとで一気に再生させるモード。途中で修正が利かないので、ブロックの動きを頭の中で組み立てる力が問われる。
「BINGO」は、5×5に並んだキーを縦か横に1列押し切ると命令が点滅し、ロボットが動く仕組み。押したキーにもう一度乗ると元に戻ってしまう。1人用では、外周を回って勝手に1列を押していくフリッパーと、キーの上をうろつくスパイクが邪魔に入り、触れた博士は画面の外へはね飛ばされる。2人用は5分間の対戦で、自分のトレイにより多くのブロックを集めた側が勝ちとなる。
『ブロックセット』とファミコンロボットが出た1985年
ブロックセットはロボット本体と同じ1985年7月26日に発売された。業界紙『ゲームマシン』によれば、ロボットの発表は同年7月11日で、店頭に並ぶまで約2週間しかなかった。ロボットは単体では動かないため、発売時点で遊べるソフトはこれ1本だけ。日本向けのCMでは、漫才コンビ西川のりお・上方よしおの西川のりおがプレイヤー役を務めた。
ロボットが作られた背景には、アメリカ進出の事情があったとされる。任天堂は1985年1月のラスベガスのCESに、ファミコンを「Advanced Video System」の名で参考出品したが、小売業者の反応は悪かった。そこで山内溥社長が、ゲーム機ともコンピュータとも違うものとして打ち出す方向を示し、急ぎロボットの開発が進んだという。6月のシカゴのCESでは、光線銃とロボットの組み合わせを出品している。
北米ではNES本体の最上位セットにロボットと『ジャイロマイト』(ジャイロセットの北米版)が同梱され、ブロックセットにあたる『Stack-Up』は別売りだった。米誌『Computer Entertainer』は1985年6月、ロボット用ソフトがさらに4本計画されていると報じたが、結局どれも発売されていない。
『ブロックセット』を遊ぶときのコツと注意点
最初にやるべきは目線合わせだ。ロボットを平らで安定した場所に置き、目がテレビ画面をまっすぐ向くよう角度を整える。電源を入れると、ロボットは正面の最上段で手を上げたスタンバイ位置に止まる。そのうえでTESTモードを使い、信号を受け取って頭のLEDが反応すれば準備完了となる。
ロボットの目は光線銃と同じ光センサーの仕組みで動くため、前提はブラウン管テレビだ。液晶テレビでは画面の表示に遅れが出るため、信号を正しく受け取れない。いま実機で遊ぶなら、ブラウン管テレビの用意が最初の関門になる。
もうひとつの壁が動作の遅さである。命令を出してからロボットが動き終わるまで時間がかかるので、行き当たりばったりに命令を送ると手数がかさむ。積み上がったブロックのどれを先にどかすか、2手3手先まで決めてから博士を動かすのが、DIRECTで少ない手数に収めるコツだ。北米の発売当時、任天堂オブアメリカの社員も実演販売で動きの遅さと目線合わせに苦労したと振り返っている。
『ブロックセット』はいま遊べる?(Switch Online・中古相場)
Nintendo Switch Online、アーケードアーカイブス、プロジェクトEGGのいずれでも配信は確認できませんでした。専用ロボット実機が無いと成立しないゲームのため、現行機での再現は難しいとみられます。遊ぶには当時のロボット実機とカセット、ファミコン本体が必要です。※2026年9月時点
『ブロックセット』の都市伝説・噂(裏取りなし枠)
情報元・参考資料
- Wikipedia「ファミリーコンピュータ ロボット」
- 週刊アスキー
- ファミ通.com
- 懐ゲードットコム
- 任天堂『ファミコン40周年 ブロックセット』
- Wikipedia(英語版)「R.O.B.」
- ファミ通.com『ファミコン ロボットが40周年』
調べるときに参照したページ
- Wikipedia日本語版「ファミリーコンピュータ ロボット」
- 英語版Wikipedia「R.O.B.」
- 任天堂『ブロックセット | ファミリーコンピュータ』
- ファミ通.com『ファミコン ロボットが40周年。テレビ画面と現実のロボットを同時に操作する革新性が最大の魅力だった。『スマブラ』シリ…』
- SmashWiki『R.O.B. - SmashWiki, the Super Smash Bros. wiki』
- How-To Geek『How the Nintendo NES Zapper Worked, and Why It Doesn't Wor…』
